戸籍以前の調べ方

戸籍謄本が親子関係を証明する唯一の公文書なのですが、それでも一番古いもので「明治19年式」.
そこに記載されているご先祖は、どんなに古くても「文化」(1804~1816)頃の出生世代が限界となるでしょう。
では、それ以前のご先祖を調べるにはどうしたら良いのか?

いくつかの方法があるので紹介していきましょう。

 

過去帳を調べる

先祖代々のお墓が同じお寺であれば多くの場合で過去帳があるはずです。
過去帳は、いわゆる本家が管理している場合が多いのですが、お寺に預けてあることもあります。
過去帳は「月日」順に編製されており、ご先祖の亡くなった日付の欄には「元号」「年」「名前」「戒名」が記載されています。
また「享年」や「続柄」が記載されていることもあります。
亡くなった年から「享年」引けば、およその出生年は判断できます。
しかし一方で一番問題なのが「続柄」です。
例えば「長男」「弟」「父」等の記載が一般的なのですが、そもそも誰の「長男」で誰の「弟」なのかが判断できません。
家系図にまとめるにあたり一番重要な親子関係が判断できない場合が少なくありません。
多くの場合、当時の「家長」からみた「続柄」で記載されていますが、当時の家長が誰かまでは書いてありません。
ただし間違いなくその家系に存在していた証ではあるので、参考材料にはなるはずです。

 

墓石のを調べる

先祖のお墓があれば、まず確認したいのは墓石の側面や裏面です。
多くの場合で「名前」「戒名」「亡くなった日付」が彫られてあるはずです。
続柄はないので親子関係は、判断できませんが同じ家系の何人かは同じお墓に入っているはずです。
また同じお寺の中にいわゆる「本家」や「分家」のお墓もある可能性があります。
同じ名字のお墓を探してみるのも方法の一つです。

 

旧土地台帳を調べる

旧土地台帳」とは現在の「不動産登記簿」にあたるものです。
全国の法務局で閲覧または郵送でコピーを取り寄せることができます。
閲覧は無料ですし郵送の場合でも返信用の切手代の負担だけで発行してくれます。
旧土地台帳には、明治時代(以前も含む)の土地の所有者が記載されています。
もちろん土地を所有していたことが前提となりますが、現代とは異なり当時は「本籍地=居住地」「所有者=その家の当主」であった可能生が高いので、一番古い本籍地を管轄する法務局で旧土地台帳を確認することはとても重要です。
本籍地番と土地の地番は必ずしも合致しないかもしれませんが、周辺の地番を含めて同じ名字の土地所有者がいれば、同じ家系である確率は高くなります。

 

図書館・郷土資料館・歴史資料館における文献を調べる

当時の本籍地における図書館などでは、その土地の歴史やゆかりのある人物資料等を所蔵している場合が多くあります。
歴史上著名な人物に限らず、その地域でかつて尽力された方の資料からご自身の家系に繋がるヒントが得られるかもしれません。

 

本籍地周辺における同姓の方への聞き取り調査

当時の本籍地周辺には、現在でも同じ苗字の方がお住まいになっていることが 少なくないようです。
同じ苗字であればどこかでつながる遠い親戚かもしれません。
以前、当所のお客さまで、電話帳から本籍地周辺にお住まいの方にお手紙を出し、後日実際に訪問し色々なお話が聞けた方がいらっしゃいました。
遠方だったので、実際に訪問するまで何度か手紙でやり取りをしたそうです。
予め事情がわかっていたので当日には、古い書類を準備してくれていたそうです。
また、地図上で住んでる方の名前が確認できる「ブルーマップ」(ゼンリン社の住宅地図)というものがあります。
管轄の法務局などに備え付けられているものなので、現地に赴く機会があれば参考になるかもしれません。
戸籍以外から古い先祖のたどるのは大変な作業ですが、それぞれが重要な要素となって積み重なっていくはずです。

 

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